足尾エコツアー(速報)

11/4,5と栃木県足尾に総勢13人で行ってきました。11/4午後に足尾の銀山平キャンプ場について、足尾を一望できる展望台として知られる備前盾山(1272m)にトレッキング。曇りであまり展望は良くなかったのですが、それでも鉱害によって、木々が無くなった痛々しい山肌は一目瞭然。以前からは聞いていましたが、やはり実際に見るとその光景には驚きました。
 下山直後に大雨が降り始めて、あと5分下山が遅くなったら全員ずぶぬれにならなかったのが奇跡的です。夜はキャンプ場のバンガローで3種類の鍋を作り、それを食べた後、足尾の植林の20年位前の記録映像を見ました。
 11/5はすっかり晴れて、松木渓谷と呼ばれる足尾の鉱害の被害を最も受け、廃村になった村の跡まで往復2時間谷沿いを歩きました。荒涼とした山肌はここが日本であることを忘れそうな雰囲気です。急な所は植林されず、岩肌が剥き出しになったまま。また銅を採掘した後の屑を山高く黒々と打ち捨てられ、異様は雰囲気です。松木村という、鉱害と山火事によって廃村になった村の跡で昼食をとりました。ところどころ植林されていて、この辺に多数いる鹿からの食害から苗木を守るために、フェンスで囲まれています。鹿から守ることが一番の課題ではないかと思いました。
 足尾に行って思ったのはやはり森林破壊し、土壌が流出すると森林回復は容易でないとのこと。ここに来て思ったのは2年前に砂漠化が進んでいる中国の黄土高原に行った際に見た景色とそっくりであったということに驚きました。ただ昔の記録映像の中では回復には250年かかると言われていましたが、場所によっては植林の努力でかなりの速さで緑が回復してきていると感じました。
 ただ悪い面だけでもなく、足尾は明治、大正と日本最大の銅鉱山として日本の近代化を支えた歴史もあり、多くの産業遺産が残っています。最盛期に4万人だった人口は現在はわずか4000人。過疎の町なので多くの人にこの鉱害の跡と昔の産業遺産を見に来て欲しいと思います。今回、現地をご案内して頂いた谷さん大変お世話になりました。ありがとうございます。また春にでも植林の時期にでも定期的にエコツアーが出来たらと思っています。